研究課題/領域番号 |
15K03393
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
岡部 純一 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (70204013)
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研究分担者 |
金子 治平 神戸大学, 農学研究科, 教授 (40204557)
坂田 大輔 立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (70734359)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 統計制度 / インド |
研究実績の概要 |
1. 本研究の成果物: Jun-ichi, and Bakshi, Aparajita, A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Books, New Delhi, 2016、についてインド国内研究者の間で活発な議論が交わされた(【備考】Webページ(1)~(4)参照)。インドではGulati Institute of Finance and TaxationのD. Narayanaにより書評('Panchayat Databases: A Pioneering Effort' in Review of Agrarian Studies, Vol. 6, No. 2, 2016, pp. 138-146)が出た。 2. 6月には研究分担者、研究連携者、国内研究協力者が集まって、インド農村対象の標本調査データについて研究会を開催した。 3. 研究連携者:宇佐美好文氏がデリーでResearch Methodology Workshop on “Using Large-scale Survey Data”を開催し自らも研究報告をし国際的議論を深めた。 4. 【雑誌論文】【学会発表】【図書】の欄に上げた研究発表を行った。実は研究発表欄には掲載していないが、それ以外に、研究代表者:岡部純一が単著『インドの統計制度と行政記録・行政統計の理論(仮題)』を当該年度中にすでに完成させたが(原稿はすでに学位論文<北海道大学>に併用)、未刊、近日公刊予定である。本書はインドを参照基準に、日本や欧米等非途上国の比較統計制度研究を行ったものであり、これまでの研究成果を国際的・普遍的な視点で議論した。 5. インド以外の海外地方自治体統計制度について資料収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1. 本研究の成果物: Jun-ichi, and Bakshi, Aparajita, A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Books, New Delhi, 2016、についてインド国内研究者の間で活発な議論を行い、書評も出たことによって、インド国内での反響を観察することができた。 2. インド農村対象の標本調査データ・ミクロデータについて研究することによって、農村統計データベースと標本推計との比較に一定程度成功した。 3. 未刊行ではあるが著書『インドの統計制度と行政記録・行政統計の理論(仮題)』を当該年度中に完成させた。本著は、インドを参照基準に、日本や欧米諸国との間で比較統計制度研究を行い、これまでの研究成果を国際的・普遍的な視点で位置付け直したものである。本著は、インド一国の研究をより普遍的・国際的な視点で捉え直そうという本科研費プロジェクトの結論を先取りする内容に発展した。
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今後の研究の推進方策 |
すでに原稿が完成している『インドの統計制度と行政記録・行政統計の理論(仮題)』の刊行により、今度は日本国内の研究者と当該研究の成果について議論する。本研究から明らかになったボトムアップ型の地方統計制度改革の可能性を検討することと、その対極をなすトップダウン型地方統計改革の弊害を批判的に検討する、というのが今後の研究の基本方策である。同様の研究課題は、インド以外の諸国でも見られるので、普遍的・国際的な視点に立った比較統計制度研究が目下の課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度のエフォートは、主に国内向け研究成果である日本語長編本『インドの統計制度と行政記録・行政統計の理論(仮題)』(総ページA4で334ページ)を完成させることに費され、研究活動が国内中心であった。そのため、国外旅費の使用が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
当該年度に研究成果『インドの統計制度と行政記録・行政統計の理論(仮題)』の原稿が完成し、座学中心の一つの研究活動が終了たため、国内外旅費を次年度繰越とし、次年度のフォローアップ調査に使用する。
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備考 |
(2)-(3)は、国際共同研究の成果として2016年2月に刊行した Jun-ichi, and Bakshi, Aparajita, A New Statistical Domain in India: An Enquiry into Village Panchayat Databases, Tulika Books, New Delhi, 2016に関するBakshi氏のブログ、(4)は書評。
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