研究実績の概要 |
本研究の目的は、非定常パネルデータにおける単位根の存在確認において、多重検定(multiple testing)を用いた場合の検定パフォーマンスの評価と検出力向上のための改良を行うことである。特に、検定する仮説数が多い時、検出力が著しく低下することが既に明らかとなっているため(Matsuki and Sugimoto (2013)、Matsuki (2014))、この問題を解決するための手法の改良を中心に行う。 平成27年度は、系列における非線型性や経済構造変化の存在を考慮した場合について、多重検定が正しく仮説を棄却できるのかどうかを検証した。得られた結果は、"Performance of multiple testing in nonstationary panels and empirical applications"、計量経済学セミナー(京都大学)及び“Linear and nonlinear comovement in Southeast Asian local currency bond markets: a stepwise multiple testing approach,” Empirical Economics, December, pp.1-29, 2015、において発表した。
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