研究課題/領域番号 |
15K03406
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
森本 孝之 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (80402543)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | ビッグデータ / オンラインニュース / 動的トピックモデル / トピックスコア / 予測 / 実現ボラティリティ |
研究実績の概要 |
1. 研究用データの整備 (1) 日経 NEEDS から購入した DVD データを1分間隔データに加工した上で,実現ボラティリティ (Realized Volatility, RV) を計算した.(2) 分析に使用するデータとして,株価指数TOPIXを用いた.(3) 情報の供給についてのプロキシとして,オンライン上におけるニュース記事を用いるが,本研究ではとりわけ経済ニュースに強いロイタージャパン (http://jp.reuters.com/) のテキストデータを利用した.(4) 取得したオンラインニュース記事を mecab により形態素解析を行い,品詞ごとのデータに変換した.
2. モデルの定式化 (1) オンライン上におけるニュース記事のデータに対しては,文書の確率的生成モデルの一つである動的トピックモデル (Dynamic topic model) を用いた.(2) 実現ボラティリティの自己回帰モデルに トピックスコア を含めることにより,ボラティリティ予測のパフォーマンスを改善することを本研究の目的としている.そこで,ボラティティとトピックスコアのラグ値を説明変数に持つ AR, ARMA, HAR といった基本的なモデルに加え,Bollerslev et al. (2016) による ARQ, HARQ モデルについても実装し,各モデルのボラティリティの予測力を MSE および QLIKE という 2 つの誤差関数を用い比較した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を論文「Forecasting financial market volatility using a dynamic topic model」(著者: Takayuki MORIMOTO and Yoshinori KAWASAKI) に纏め国際学術誌に投稿準備中の段階 (2016 年 4 月 30 日現在) である.
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は,新聞の経済ニュース,電子掲示板の口コミ,Twitter,といったロイタージャパン以外の情報源の利用可能性を確認し,もし可能であるなら,それらの情報が金融市場の原資産価格変動の先行指標として,ボラティリティの動きに何らかの影響を与えるかどうかについて分析する.さらに,これらの情報源における特定のトピックと単語の頻度が,ボラティリティの先行指標になるかどうかを調べるため,グレンジャー因果性についても分析する.また,ボラティリティ以外の金融時系列,例えば出来高,取引間隔といったデータへの影響についても同様の分析を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末(2016年3月)にワークステーション(Lenovo ThinkStation P700 Tower)を購入したが,納品予定日が4月中旬から下旬となり,会計年度を跨いだ形となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
上述の通り,繰越金はほぼ全額をワークステーション(Lenovo ThinkStation P700 Tower)の購入に充てる.
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