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2015 年度 実施状況報告書

技術と製品ラインの選択に関する実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 15K03409
研究機関一橋大学

研究代表者

大山 睦  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (20598825)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード実証産業組織論 / 製品選択
研究実績の概要

本研究では、日本の綿糸紡績産業の歴史的なデータを用いて、企業の製品選択に関するメカニズムを明らかにすることを目的にしている。平成27年度の目標は、計量分析を行うためのデータベースを構築することであった。第1次資料である日本紡績連合会月報より綿糸生産量の番手別のデータ入力を行い、第1次資料の再確認や入力ミスなどを厳密に精査した。各企業の番手別の生産量に関するパネルデータは完成し、会計情報との接合も行い、基礎的な分析ができるようにデータを整備した。この作業と並行して、各企業の技術者リストの作成を行った。具体的には、現存する工業学校の名簿をもとに、綿糸紡績産業に従事した技術者の名簿を作成する作業を行った。資料が膨大なため、この作業が終了せず、平成28年度も引き続き作業を行う予定である。また、綿糸紡績産業で各企業が使用していた紡績機械の情報を収集し、データ分析に使用できるように整備した。企業に関するこれらのデータは、各企業の技術力を捉える指標となり、実証分析で大きな役割を果たすと考えられる。
今後の本格的実証分析に備えて、企業の製品選択に関する準備的な実証分析を行った。準備的な実証分析の主な結果は、(1) 生産性の高い企業は製品数が多い、(2) 需要要因と供給要因は補完的な関係にあり、企業の製品数に正の影響を与える、(3) 製品ラインの選択に関する企業間の異質性は大きく、生産性との間に特定の関係が明瞭に見られない。技術要因に関するデータが不十分であるため、十分にデータを整備した後に、これらの結果を再検討する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は、データベースを構築するために、多くの時間と労力を費やす予定であった。データベースを構築する作業を迅速に行うために、複数のリサーチ補助員を雇用し、データベースの完成を早期に実現する努力をした。当初の計画通り、データベースの主要な部分は完成し、実証分析を行える状態となった。しかしながら、技術要因に関するデータベースの作成は当初の計画より多くの作業が必要となることが判明し、平成27年度中に終了することができなかった。企業の製品選択に関する準備的な実証分析を行ったのも計画通りである。

今後の研究の推進方策

平成28年度は技術要因に関するデータベースを完成させることを第一目標とする。複数のリサーチ補助員を雇用し、この作業を迅速に行う。データベースの主要な部分は完成しているので、それを使って準備的な実証分析を進める。また、本格的な実証分析を行うための枠組みを検討し、それを完成させる。平成28年度の6月に国際学会で研究報告を予定しており、専門家から研究報告に関するフィードバックを頂くだけでなく、本研究全体の意見も頂く予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度中に資料収集目的の出張を行わなかった為、当該助成金が発生した。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に行う資料収集目的の出張、またはデータ入力作業を行うリサーチ補助員の雇用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] カーネギーメロン大学/シカゴ大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カーネギーメロン大学/シカゴ大学

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-01-24  

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