研究課題/領域番号 |
15K03415
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
田口 博之 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70738020)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 国際経済学 / アジア経済 |
研究実績の概要 |
本研究は、タイを中核とするメコン経済圏における生産ネットワークについて、①それが深化するための条件、②受入国の経済効果、③中国・インドへの展開の可能性について研究することが目的である。 第一の「生産ネットワークが深化するための条件」については、これまで、メコン経済圏における国境開発の課題を学術書の章としてとりまとめたほか、生産工程の分散化を説明するフラグメンテーション理論の適合性についてメコン地域を含む東アジアを対象に研究を行い、その成果を査読付英文雑誌に掲載したところである。本年度は、これらの成果を踏まえ、学会においてタイから広がる生産ネットワークであるタイ・プラスワンの周辺国への波及効果について発表を行った。 第二の「生産ネットワーク受入国の経済効果」については、これまで、付加価値貿易のデータを活用した生産ネットワーク受入国のGDPへの効果の推計や、直接投資の受入れによる経済効果の測定を行い、学会発表を行ってきたところである。本年度は、ミャンマー・ラオス等の後発国の資源開発やタイへの移民からの海外送金収入が、生産ネットワークの核となる製造業の発展を妨げているか否か(いわゆるオランダ病存否)について研究を進め、その成果を学術書の章及び査読付英文雑誌に掲載するとともに、学会発表を行った。 第三の「生産ネットワークの中国・インドへの展開の可能性」については、引き続き、中国とASEAN、インドとASEANとの自由貿易協定の締結が貿易結合度や生産ネットワークに与える影響について、産業別・生産工程別に踏み込んで、検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画を超えて、査読付英文雑誌への掲載・学会発表等を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後とも、研究計画に沿って、査読付英文雑誌への掲載・学会発表等の研究成果をあげていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
ミャンマー・ヤンゴン経済大学への調査出張について、他の予算による別目的の出張と兼ねて実施することができたため、次年度使用額が生じた。今後は、これを活用し、計画的な支出を行い、研究成果の充実に努めたい。
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