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2017 年度 実績報告書

不動産競売に関する制度的要因がもたらす取引費用の実証的分析

研究課題

研究課題/領域番号 15K03421
研究機関政策研究大学院大学

研究代表者

吉田 修平  政策研究大学院大学, 政策研究科, 客員教授 (00727852)

研究分担者 山崎 福壽  日本大学, 経済学部, 教授 (10166655)
福井 秀夫  政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60251633)
久米 良昭  一般財団法人運輸総合研究所総合研究部, その他部局等, 研究員 (60316643)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード不動産競売 / 担保金融 / 民事執行 / 執行妨害
研究実績の概要

1.競売物件・落札価格と市場価格の価格乖離額の検討……2004年法施行前の競売物件と2004年法施行後の競売物件を比較し、一般仲介物件をコントロールグループとすることで、2004年法改正による競売物件の落札価額上昇効果をDID分析によって推計した。具体的には競売物件及び一般仲介物件を対象として価格関数を推計し、競売物件ダミーの係数ηによって制度改正前における一般物件に比較した競売物件であることによる価格下落効果を、競売物件ダミーと2004年法改正後ダミーとの交差項係数γから制度改正による価格上昇効果を求めた。
2.物件乖離の要因別分析……競売市場には、仲介市場の物件価格に比較し落札価格をさらに下落させて乖離を拡大させる様々な特殊要因がある。その要因として(a)賃借件等設定、(b)競売期間の長期化に物件管理の陳腐化及び(c)物件の品質(グレード)の相違による価格乖離を理論検討した。
3.スペイン制度改正と競売市場への影響……スペイン国マドリッド市及びサンセバスチャン市を訪問し、競売実務を担当する弁護士に対するインタビュー調査を行った。金融危機後のスペインでも債務者保護の強化が図られた。欧州司法裁判所は、スペイン競売法では高金利の制限や債務者への説明義務が不十分であることを理由に、抵当権の行使手続きが消費者の権利保護を定めたEU法に違反すると数度に亘って裁定した。このため競売市場に混乱がもたらされた。スペインでは借家権の保護が手厚いことが、競売市場に影響を与えていると考えられる。しかしながら日本の正当事由制度のように不明確な規定ではないため、暴力団による執行妨害への悪用はない。

備考

本研究課題に関連する論考として、下記を公表した。
吉田修平「貸す人も、借りる人も必見 不動産実務はこう変わる! 重要7項目 (ビジネスが変わる 民法改正)」エコノミスト、95巻27号、 pp.34-36、 2017年7年11日号

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] スペインの競売における借家人保護2018

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      税務経理

      巻: 9669 ページ: 1~1

  • [雑誌論文] 米国の不動産競売制度-売却手続及び占有者保護の分析-2017

    • 著者名/発表者名
      久米良昭・福井秀夫・森岡拓郎
    • 雑誌名

      都市住宅学

      巻: 98 ページ: 112~126

  • [図書] 民法改正と不動産取引2017

    • 著者名/発表者名
      吉田修平
    • 総ページ数
      173
    • 出版者
      きんざい
    • ISBN
      9784322132243
  • [図書] 新しいマンション標準管理規約―2016年改正2017

    • 著者名/発表者名
      浅見泰司・安藤至大・親泊哲・笠谷雅也・福井秀夫・村辻義信 ・吉田修平
    • 総ページ数
      283
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641137691

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2019-12-27  

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