研究課題/領域番号 |
15K03428
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊谷 達弥 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (80183789)
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研究分担者 |
齋藤 隆志 明治学院大学, 経済学部, 教授 (60437283)
稲田 光朗 宮崎公立大学, 人文学部, 助教 (90750456)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生産性 / 事業構造 / 事業再編 / 事業撤退 / 事業進出 / 海外直接投資 / 輸出比率 / ワークライフバランス |
研究実績の概要 |
(1)企業活動基本調査では企業の事業ごとの売上数値が得られることを利用して事業構造の再編(既存事業からの撤退と新規事業への進出)について分析した。①製造業は2011年までは撤退数が進出数を上回っているが、それ以降はその関係が逆転する。②全期間を通じて、本業成長率は、事業撤退した企業の方が高く、事業進出した企業の方が低い。③事業進出した企業の進出業種の市場成長率は本業成長率より高く、事業撤退した企業の撤退業種の市場成長率は本業成長率よりも低い。④進出業種と本業の相関係数は高いがやや減少傾向、撤退業種と本業の相関係数はこれよりもやや低い。本業から遠い事業から撤退し、本業に近い事業に進出する傾向。⑤本業売上高成長率は、進出数に負の影響、撤退数に正の影響を与え、本業成長率が高い場合に選択と集中が促される。また本業比率が高い企業ほど参入数、撤退数は少なくなる。⑥ 退出のみ行った企業、参入と退出を同時に行った企業のROAは高い。このとき本業と関連性が低い業種から撤退するとROAが上がる。 (2)輸出および海外直接投資と、企業規模・生産性の関係について以下のことがわかった。①海外子会社を有しない会社のうち、輸出比率が高い企業の方が本社規模が大きい。②海外子会社を有する企業は、そうでない企業に比べて規模が大きい。③輸出比率が同じなら、現地子会社向け輸出比率が高い企業の方が本社規模が小さい。④海外子会社を有する会社は、そうでない企業に比べて労働生産性が高い。⑤輸出比率が同じなら、現地子会社向け輸出比率が高い企業の方が労働生産性が低い。 (3)女性活用度の違いがワークライフバランス施策の生産性に与える影響を検証した。労働時間を減らさずに能力を高めるタイプの施策は、女性活用度が生産性に正の効果をもたらすことがわかった。 (4)その他、中国の直接投資誘致政策の効果についても分析し有意な結果を得た。
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