研究課題
基盤研究(C)
本研究では、経営上の非効率性を許容して、日本の高等教育機関における規模の経済性と範囲の経済性を分析している。通常、規模の経済性や範囲の経済性は費用フロンティア上で定義される。しかし大学に関しては、費用・要素価格に関するデータのうち特に資本コスト/資本サービス価格について信頼できるデータが利用可能ではない。本研究では、費用関数のかわりにインプット距離関数を推定し、費用と生産の双対性を利用して費用関数に関する特性をインプット距離関数の推定結果から導くというアプローチをとっている。
教育経済学
本研究の特色は、経営上の非効率性を許容して、日本の高等教育機関の生産構造と費用構造を実証分析し、最適な高等教育政策を検討することにある。従来の大学の効率性分析では、費用関数の推定を避けることができなかった。本研究では、インプット距離関数を推定し、この推定結果から、費用と生産の双対性によって費用関数の特性を導くという新しいアプローチ方法をとる。これにより、大学の固定資産について資本コストを観察するという難しさから解放される。