本研究では、大きく分けて二つの成果が得られた。一つ目の成果は、中小企業の労働組合がない企業においては、従業員組織が従業員の声を集団的に発言する組織として機能して、離職率を引き下げて企業業績を向上させていることが明らかにしたことである。二つ目の成果は、日本の自動車産業のデータを使用して、従業員の経営者への信頼がいかに形成されるのか、およびそれがもたらす結果について明らかにしたことである。経営者への信頼が従業員の生産性向上の努力とプラスの関連があると同時に、雇用保障の満足度にもプラスの関連があることが明らかにされた。また、労使間の情報の共有が経営者への信頼を高めていることも同時に明らかにされた。
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