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2015 年度 実施状況報告書

都市ガス産業の規制緩和に関する構造推定と政策評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K03466
研究機関法政大学

研究代表者

明城 聡  法政大学, 経済学部, 准教授 (70455426)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード都市ガス産業 / 規制緩和 / TFP
研究実績の概要

① 研究開始の初年度となる本年度はガス事業の規制緩和に関するデータ収集と文献調査に関する作業に主眼を置いた研究活動を行った。特にデータ収集については、都市ガス事業者の生産性、および設備投資に関するものを区市町村の地域別に整備し、経済データ分析を行うための環境を構築した。なお、生産性データについては、以下の②の研究で利用し、投資データについては次年度以降の研究に利用する予定である。
②都市ガス事業者の生産性に関するデータ分析を行った。具体的には、都市ガス事業者の都市ガス生産量に対して、労働投入や資本投入がどれだけ効率的に用いられているのか生産性の指標となる全要素生産性(TFP)の地域別パネルデータを用いた推定を行った。また、1990年以降に行われた段階的な規制緩和がTFPに与えた影響についても分析を行った。この結果、公営企業は資本分配率が高く生産における資本依存度が高いが、(1) 民営企業では資本と労働の分配率にそれほどの違いは見られないこと、(2) 民営企業は公営企業に比べて、規制緩和によるTFPの上昇効果が大きいことが分かった。この研究成果についてはガス事業研究会報告書(都市エネルギー協会)に論文として掲載している。
③ 2015年11月に行われた第3回ガス事業研究会にて、「都市ガス事業者の地域別参入格差」についての研究報告を行った。本報告では、都市ガス産業での新規参入に与える地域要因の影響をパネルデータを用いた参入率の分析から明らかにした。また、これまでに行われた規制緩和と民営企業の新規参入の関係についても統計的な分析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に従って都市ガス産業に関するデータ収集、文献調査、および論文執筆を進めている。

今後の研究の推進方策

昨年度までに執筆した都市ガス事業者の地域別参入格差に関する論文と、本年度に執筆した都市ガス事業者の生産性に関する論文については、今後、有識者からの意見を踏まえて改訂を行い国内外の専門学術誌に投稿する予定である。また、並行して都市ガス事業の設備投資に関する研究を進めていく。設備投資については、原料調達に関する上流市場とガス販売の下流市場をモデルに含めた構造推定を行うために、理論モデルの構築と実証分析に必要な投資データの収集を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初は都市ガス産業の設備投資データの分析に必要となる計算機とソフトウェアを初年度に購入する予定であったが、研究室のスペースとPC環境の整理のため次年度に遅らせることになったため繰越金が生じた。なお、投資分析は次年度以降に行う研究のため、研究の進捗には直接的な影響はない。

次年度使用額の使用計画

今後、必要となる計算機とソフトウェアを購入することで繰越金は消化される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 都市ガス産業の生産性と規制緩和の分析2016

    • 著者名/発表者名
      明城聡・田中拓朗
    • 雑誌名

      ガス事業研究会研究報告書(都市エネルギー協会)

      巻: - ページ: 127-143

  • [学会発表] 都市ガス事業者の地域別参入格差について2015

    • 著者名/発表者名
      明城聡
    • 学会等名
      第3回ガス事業研究会
    • 発表場所
      東京ガス本社(東京都港区)
    • 年月日
      2015-11-05

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公開日: 2017-01-06  

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