本研究で得られた主な成果は、都市ガス産業における規制緩和が事業者や自治体の行動や成果にどのような影響を与えたかという問いに関連するものである。特に事業者に関しては新規参入や生産性、また自治体に関しては都市ガス事業の民営化と財政指標に関して、1990年以降に段階的に進められてきたガス事業改革との関係性を明らかにするための実証分析を行った。規制産業への競争原理の導入に関しては一定の成果があったことが示された一方で、今後のガス自由化の進展に向けての課題や問題意識がより明確になったことが研究成果としてあげられる。
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