本研究では、国家間・地域間の円滑な取引の阻害要因である貿易コストに関して様々な視点から研究を行った。価格データを用いた際に生じるバイアスの存在を確認し、特に市場ごとの価格付けについて、貿易コストが先行研究で考慮されていないケースでは過小評価されていることを明らかにした。 市場取引の変動と貿易コストの関係については、重力モデルを用いて地域間取引と貿易コストの関係を推定した。変動が大きい日次データでも、通常の国際貿易で用いられる重力モデルによる推定が可能であることが明らかになり、生産地と需要地それぞれにおける貿易コストの負担割合についても明らかにした。
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