研究課題/領域番号 |
15K03468
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
平田 英明 法政大学, 経営学部, 教授 (60409349)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 国際経済学 |
研究実績の概要 |
2年度目は以下のような研究実績であった。 1.ダイナミックファクターモデルによる分析:産業毎の特性を捕捉することのできるタイプのモデルを用意し、昨年度作成したパネルデータを使って分析ができるようにした。具体的には、データ全体に共通するコンポーネント、各業種に共通するコンポーネント、各国に共通するコンポーネントを識別する形のモデルを使って、先進諸国の産業別GDPや産業別TFPの動きの特徴を考察した。推定期間を90年代前後で分割してみると、前期から後期に掛けて、産業別GDPや産業別TFPの決め手となるコンポーネントの特徴が大きく変化してきている特徴が確認できた。 2.パネルデータセットの作成:昨年末にデータのアップデートが行われたため、そのアップデート分の更新(および新規作成)に対応する対処を行った。また、TFP(生産性)のデータを、稼働率で調整する現代的な手法で推計し、そのデータセットを構築した。実際に、労働生産性、古典的な稼働率を調整しないTFPなどと比較分析を行ってみたところ、稼働率を調整したTFPの特性は最も妥当性の高い振る舞いをしていることが確認できた。 3.学会での部分的な報告:本研究を協同で行っている研究者が、本研究の分析結果をブルッキングス研究所やアジア開発銀行などで報告し、研究者のコメントを得た。特に、世界的な生産性の低下は研究者だけでなく、一般レベルでの関心も高いことから、本研究の知見はそれに対するひとつの示唆を示せることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
学内業務(教授会主任職)に期せずして着任することとなってしまい、どうしても十分な時間を研究に充てることが不可能であった。新年度も引き続き、当該業務があるため、この遅れを取り戻すことが難しいと考えられ、研究期間の延長を検討する必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在は国際的なデータでの分析を行っているが、(一定の制約はあるものの)全く同じフレームワークの研究を国内の都道府県レベルで実施することも可能である。是により、国境効果(国境のあるなしによる波及の強さや弱さ)がどう影響しているのかを分析することが可能と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れに伴い、支出予定が遅れているため。 大規模推定用のPCの購入を次年度に後送りしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は推計をより大規模に行うため、PC関連の支出が増える事が予想される。
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