研究課題/領域番号 |
15K03486
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
大西 宏一郎 大阪工業大学, 知的財産学部, 准教授 (60446581)
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研究分担者 |
杉山 典正 大阪工業大学, 知的財産学部, 准教授 (90368150)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特許 / 博士課程 / 研究者 / 移動 / 大学 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、前年度から取り組んでいる課程博士、論文博士を含めた博士号取得者のデータベース構築作業に多くの時間を費やした。作業段階として1960年以降の博士号取得者のデータ収集を完了し、特許データベースの発明者情報との接続を開始している。次年度にこのデータを利用した実証分析を進めていく予定である。なお、博士号を取得するかどうかはその研究者の能力に依存するという内生性の問題点については、別途操作変数を見つけることで解決し、追加的な教育効果が個人のイノベーション活動に与える影響を明らかにする予定である。大学・企業間等の組織間の移動者・出向者については、新たに総務省のオーダーメード集計サービスを利用した労働力調査の集計データを利用することで操作変数を構築し、現在推計を進めている。現在のところ、企業間の移動について、操作変数を用いても依然として移動は研究者の研究生産性にプラスの影響を与える効果があることを示唆する結果を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
博士号取得者データベースの作成に想定以上の時間を要した。また、組織間移動の分析についても新たに操作変数を作成する作業を追加したために、想定していなかったデータベース構築等のために時間を要している。とはいえ、分析の精度を高めるためには必要な作業であり、やむを得ないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の作業について、博士号取得者データベースと特許データベースの接続を進め、企業内研究者等の博士号取得と彼らのイノベーション活動に関する分析を研究論文として仕上げていく予定である。また、組織間移動の分析についても順次、推計を進め論文発表していく予定である。更に、特許データベースを用いた大学等の知識移転に関連する研究をすすめていくことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析に使用するデータベースの構築が若干遅れていることに起因する。
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次年度使用額の使用計画 |
データベース構築のスピードアップを図り必要な機器等の購入を進めていく予定である。
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