研究課題/領域番号 |
15K03497
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
小山田 和彦 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター金融・マクロ経済分析研究グループ, 研究員 (30450521)
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研究分担者 |
内田 陽子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター国際産業連関分析研究グループ, 研究員 (20450520)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 応用一般均衡分析 / 企業の異質性 / 公的支出 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、研究代表者である小山田の手によってこれまで開発が続けられてきたグローバル応用一般均衡モデル(Melitz型の企業の異質性を考慮したもの)のアップデート作業を、昨年度に引き続き連携研究者である名古屋市立大学(現在は米国Purdue大学に長期滞在中)の板倉教授と共同で実施するとともに、そのモデルの概要や基本的性質などについて記した研究報告書を執筆した。具体的には、計算ソフトウェアGAMS用プログラムの改良と拡張、計算ソフトウェアGEMPACK用プログラムへの移植作業、それらを利用したシミュレーション分析の実施、その結果の国際会議などでの報告、および報告書への取りまとめである。GAMSを利用したプログラミングでは、比較的容易にモデルを記述して計算を実行することが可能である一方、大規模で複雑な連立方程式を解く際には様々な工夫が必要となることが多い。そのため、プログラミングの面では多くの作業が必要となるものの、複数の産業部門において規模の経済が働くような、いわゆる「解きにくいモデル」を取り扱う際に強みを発揮すると考えられるGEMPACKを併用している。報告書は現在、査読付専門誌に投稿中である。また、研究分担者の内田研究員が担当する実証分析に向けたデータ整備を進めている。今後、すぐにでも最初の推計テストを行い、その結果に基づいてデータの変更や拡張、モデルの修正を加えていく作業に入る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者である内田研究員が育児休業のために平成27年度に当初予定していた作業を延期せざるを得なかった影響が、まだ残っている。ただし、遅れを取り戻すべく急ピッチで作業を進めているため、十分に挽回可能である。
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今後の研究の推進方策 |
内田研究員が育児休業中であった平成27年度以降、研究代表者の小山田と連携研究者である板倉教授が作業の一部を前倒しして実施してきたため、本年度は内田研究員が担当する実証分析のためにより多くのリソースを投入する。作業の進行を阻むような深刻な障害はないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
連携研究者である名古屋市立大学の板倉教授が米国Purdue大学に長期滞在することとなったため、出張計画などを見直す必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に計画していた現地調査などを平成29年度に実施する。
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