研究課題/領域番号 |
15K03500
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 美帆 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70579622)
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研究分担者 |
町田 好男 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30507083)
別所 俊一郎 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (90436741)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MRIの導入 / アンケート調査 / MRIの保有 / MRIの利用 / HTA / 費用対効果 / ディシジョンツリー |
研究実績の概要 |
平成27年度の計画は、「アンケート調査により現在のMRI保有状況及び利用状況を把握し分析する。」というものであった。以下、項目毎にその進捗を示す。 1.アンケートプロトコル、フォームの作成 今回の調査は、MRI保有施設に対し、施設概要に加えその利用状況の詳細まで調査し、次年度以降のシナリオ抽出、モデルおよびガイドライン作成に繋げる重要なデータを得るものである。しかしながら、より詳細かつ専門的な質問事項であったり、調査項目が多く複雑になるにつれて期待する回収率が得られないことが懸念された。よって、本研究の分担者、連携者に加え、一線で活躍するベテランの診療放射線技師や医師をオブザーバーとして加え、慎重な議論を重ね、プロトコル、およびフォームの作成を行った。案は、研究代表者、および分担者とともに、先行研究の調査原票をもとに作成し、メールベースで2度の関係者コメントを招集。その後、1月に東北大学内において関係者による対面会議を行い意見交換の後、最終のアンケートフォーム案で2施設にテスト回答とコメントを求め、最終のプロトコルおよびフォームの完成に至った。 2.アンケート調査 アンケートプロトコル、フォームの作成に時間を有したため調査のスタートがやや遅れた。当初は、一斉に全国調査をかけることを計画していたが、実際の送付が年度の終わりでもあったことと、設問事項について実際の回答の状況みなければわからない部分も多々あったため、パイロットとして、宮城県内のMRI保有施設108施設(臨床使用機のみ)を対象とした調査をおこなった。3月31日現在、57施設からの回答が得られており、これは先行研究の回収率を数倍上回る結果である。宮城県の調査が順調に進んでいることもあり、引き続き全国送付の準備を来年度初めから取り掛かり、その後、アンケートの集計および解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究の共同研究者が、本研究の分担者でもあり、先行研究のアンケート調査に有した時間配分等を聞き取り、参考の上スケジュールを立てたものの、研究概要の実績にも示したように、今回の調査では、MRI保有施設の概要だけではなく、利用状況(検査体制、読影体制、撮像方法等)の設問項目を追加検討したため、その設問の的確性と回収率の兼ね合いを考慮した議論が慎重かつ活発に行われた。そのため、プロトコルおよびフォームの最終版が完成したのが1月下旬であり、その後、テスト回答を経て2月の送付をなった。しかしながら、本調査内容は、今後の問題シナリオ抽出やモデルおよびガイドラインの作成における骨子となる部分である。今回の専門家を加えた慎重かつ活発な議論は、時間を有したもののそれらを考慮した上で有意義なスケジュール変更であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
宮城県に引き続き、全国へのアンケート郵送を5月末までに完了したいと考えている。4月14日から行われる放射線技術学会では、本アンケートの直接の回答者となることが考えられる多くの放射線技師や放射線医師に対し研究の進捗を報告することとなっており、これから発送するアンケートの回収率向上にも期待できると考えている。6月いっぱいを回答期限とし、その後、順次回答の取りまとめを行い、アンケート集計結果の解析を年内に行い、その後、年度末にかけてシナリオの抽出を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費:アンケート送付が遅れたため。旅費:関係者間のスケジュール調整が難しく、年数回の対面会議を予定したいたものの、今年度は1回の会議開催となったため。謝金:調査票送付先の入力等の事務作業を依頼していた入力補助員の結婚および妊娠により、予定していた作業時間の依頼が難しくなってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
主な使用用途は下記の2点である。アンケートの送付が遅れているため、新規に2名の事務補助員を雇、アンケートフォームの印刷および郵送作業を円滑に進める。また、アンケート回答の入力は時間の短縮と正確性を要するため、アンケート調査結果の入力及び集計会社に外注する。
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