研究課題/領域番号 |
15K03501
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内藤 久裕 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00335390)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 移民受け入れ / 社会保障 / 失業 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
1.研究計画書にある通り、データセットの作成を始めた。まず、市町村別の外国人比率を計算するためにSinfonicaより作成されている市町村別データを購入しパネルデータを作成した。そしてpreliminary analysis として、移民受け入れの失業に対する分析行った。 2. 移民受け入れが失業にどのような影響を与えるかの分析として、EUの東方拡大を自然実験として、フランスのマイクロデータをつかって移民受け入れが失業にどのような影響を及ぼすかを分析した。
3. 分析手法の精緻化として、probit modelをGMMを使って推定する論文を作成した。この分析手法は、被説明変数が、ダミー変数を取り、かつ説明変数が内生変数の場合に使用するモデルである。もし説明変数の効果が非線形である場合、probitあるいはlogitモデルを使用する必要がある。そのような場合に、GMMを使いかつ計量経済学的にみて、効率的な推定方法を提案した。その結果を、"Moment Estimation of the Probit Model with an Endogenous Continuous Regressor"としてまとめ、論文は、日本において最も権威のある経済学術誌であるJapanese Economic Reviewに採択された。
4. 新たな移民受け入れに関するシミュレーションを行い、論文 "Immigration as a Policy Tool for the Double Burden Problem of Prefunding Pay-as-you-go Social Security System"を作成した。またこの論文を日本経済学会、Western Economic Associationで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文作成、シミュレーション、EUでの政策変更を自然実験としたマイクロデータを用いた研究は順調にすすんでいる。一方で、日本のマイクロデータを申請し、取得する作業は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)日本のマイクロデータ取得に関するデータ申請をスピードアップする。 (2)移民受け入れの影響にかんするシミュレーションに関して、レフリーの意見を取り入れ論文を修正する (3)アメリカにおける移民受け入れが、障害をもった労働者の失業率にどのような影響を与えるかを分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はデータ申請が間に合わなかったため、データが手に入らず日本のマイクロデータを使った分析ができなかった。またいくつかの論文が完成しなかったため、論文執筆の際に必要となる英文校正費用が、かからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、本年度使用できなかった額を、英語論文校正費用と、新たなコンピュータ購入費用として使う。
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