明治期の法人なりのサブプロジェクトの促進のため,研究協力者John Tang氏(Australian National University [ANU])を訪問,Research School of Economicsでセミナー報告し共同研究を促進した.論文を大阪大学ならびにANUのワーキングペーパーとして公表.公共経済学の国際学会のなかで選考が比較的厳しいNational Tax Associationの2015年の年次大会で報告したほか,経済史学の国際ジャーナルのJournal of Economic Historyから訂正後再投稿の招待を受け再投稿し,当初の予定よりも進んでいる.他のサブプロジェクトでも飛躍的な前進があった.これまでは(A.)独立企業間での企業結合と(B.)企業子会社の再編を独立して考察してきたが,企業グループ内での再編成の促進を政策目的とした組織再編成税制が,節税スキームとして独立企業間の結合に利用されているため,完全子会社化後に吸収合併するステップ取引は,一連の取引を独立してとらえるのではなく,総合的に分析すべき現象であるとの理解にいたった.顧みれば,アメリカにおいて不当な節税取引の最高裁判例から確立した,ステップ取引法理の考え方であった.そこで取引データベースからステップ取引(子会社化後吸収合併)のサンプルを抽出し(1)当該節税スキームが理論的に可能になった2001年4月以降,ステップ取引が急増(2)完全子会社化後から合併までの期間の四分位は8カ月であり,短いものが多い(3)法人税納入額が激減している企業が散見されるなどの事象を発見した.ANUのランチワークショップでセミナー報告し共著者であるRoger Gordon教授とも打ち合わせをし研究を進展させた
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