研究課題/領域番号 |
15K03524
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
姉川 知史 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 教授 (80159417)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医薬品 / 承認 / 研究開発 / 価格 / 特許 |
研究実績の概要 |
世界的に医薬品研究開発が停滞するなかで,世界的規模でどのように医薬品開発を促進すべきか,日本はどのように医薬品開発を効率化すべきかという政策目的から次の研究を行う。第1は,需要側要因として価格規制と売上額の研究開発に対する役割を検討する。第2は,供給側要因としてR&Dマネジメント,プロジェクト価値評価を検討する。第3は,R&Dの新しい社会的枠組みに必要になる,プロジェクト・ファイナンスと新しい資金調達方法の在り方を検討し,具体的提言を行う。 平成27年度は,世界の医薬品研究開発について,「1982-2015年データベース」を作成した。そこでは,IMS Life Cycle Productの2015年版,その他のデータベースを使用し,2005年以降に世界各国で承認された医薬品300件あまりを特定し,自身で作成した「1982-2005年データベース」の1200件に加えて,2006-2013年の300件余りのデータを加えて,全体で1500件の医薬品のtrade name, ingredient,開発企業,発売企業,開発国,販売国,特許,開発情報,その他の医薬品属性,研究開発情報を付加した。また,特許データの詳細を検索するために,アメリカ合衆国特許の検索システムを改訂し,European Patent OfficeのPatent Statisticsを含めた検索システム作成の準備作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界の医薬品の「1982-2015年データベース」の作成に当初の予定を超える時間と費用がかかった。これは購入元のデータ仕様,検索方法が変更されたことが第1の原因である。第2に,医薬品特許データ検索について,サーバー管理をする方式を実施したが,そのサーバー管理のためのソフトウェア開発に時間がかかった。 また,医薬品の新規開発と価格競争の実証研究を行うにあたって,理論的検証を行ったところ,新たに多角化の産業組織論の実証研究として定式化する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
データベースの検索システムの開発の完成を急ぐ。その完成によって今後の研究推進が容易になる。
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次年度使用額が生じた理由 |
医薬品データベース2015年度版(IMS Lifecycle)を購入したが,その購入手続,支払い時期が遅れ,次年度の支出となった。また,そのデータを使用した謝金支払いも次年度の支出となった。
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次年度使用額の使用計画 |
すでに購入手続きを終えて,支払い手続きをとっている。
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