本研究では,会計的手法に基づいて都道府県単位での医療・介護保険財政の長期推計モデルを構築し,市町村国保,協会けんぽおよび介護保険の都道府県別所要保険料に関する将来推計を行った。 本研究で得られた主な知見は以下の通りである。(1)高齢化の進展度合いの違いにより将来の市町村国保の所要保険料の上昇には地域差が見られる,(2)現状の財政調整の枠組みにより,協会けんぽと介護保険における負担の平準化は概ね機能している,(3)医療・介護保険制の公費負担の今後のあり方について,両者を統合した上での検討が必要である。
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