本課題の目的は、サーベイデータと市場データを統合的に記述できる均衡型の資産価格モデルを構築し、インフレ期待の変動メカニズムやその変動に起因するリスクプレミアムを解明することである。提案モデルは、効用関数のパラメータを経済や市場を動かす状態変数に依存させて、投資家のリスクオン・オフといった選好の変化を捉えられるようにした。この拡張により、債券と株式の期間構造について、従来のモデルをはるかに上回る記述力を実現した。さらに、消費や配当の変動過程にジャンプを導入することによって、選好やインフレ期待についてより現実的な経済学的解釈を可能にした。
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