当研究では、家計、3種類の企業、金融機関、中央銀行、政府が存在する中規模の動的・確率的一般均衡モデルを構築し、日本銀行の様々な金融政策が実体経済及び債券市場に与える影響の分析を行った。理論的貢献は、債券を割引債ではなくクーポン債としてモデル化した事、日本銀行と金融機関の予算制約式を、債券の売買を通して明示的に結びつけた事、日本銀行と政府を、仮想的な配当を通して明示的に結びつけた事、近年の日本銀行のイールドカーブコントロール政策まで含めて分析した事である。実証的貢献は、伝統的金利政策、量的緩和政策に加え、超過準備金への金利政策の影響まで考察し分散分解及びインパルス反応関数分析を行った事である。
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