| 研究実績の概要 |
平成29年度は、前年度までの実証分析成果をテーマ別に、（１）国有銀行の貸出リレーションシップとソフトな予算制約、財閥グループの銀行保有と銀行融資のリスク選択、地場銀行の外国人保有の貸出態度への影響、の３つの学術論文としてまとめ、報告を行った。また同時に、これらの研究成果を日本国内銀行市場へ応用するとともに、新興国の銀行ー企業関係がもたらす東南アジア地域イスラム金融市場への影響に関する研究についても、新たに着手した。前年度までに得られた研究成果は、２つの国際学術会議、１つの国際シンポジウムにおいて報告し、コメントを収集し、論文の改訂作業を進めた。学会発表は、アジア開発銀行研究所、Japan Economy Networkシンポジウム（於：アジア開発銀行研究所）、第25回Pacific Basin Finance, Economics, Accounting, and Management（於：シンガポール国立大学）、東京大学ー国際通貨基金共済シンポジウム（於：東京大学）において研究成果の発表を行った。また、新たに着手した銀行―企業関係と銀行のビジネスモデルに関する研究は、ドイツ連邦銀行調査局との共同研究を開始した。併せて、東南アジア地域イスラム金融市場への応用研究は、マレーシア・セインズ大学との共同研究を開始した。国有銀行の貸出リレーションシップとソフトな予算制約、財閥グループの銀行保有と銀行融資のリスク選択、地場銀行の外国人保有の貸出態度への影響、の３つの研究は、学会報告時のレフェリー他の指摘、示唆を学術論文に反映し、３つの国際学術誌へ投稿した。これら投稿済みの投稿論文のうちの２つの学術誌において、掲載が確定している。
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