研究課題
2015年度から2018年度までの4年度にわたる研究成果は、金融危機と金融システムの関係、日本企業の構造変化とリスク管理に関する研究として発展させることができた。4か年の研究期間に、英語研究論文5編(うち2編の査読付国際学術誌への掲載)及び日本語研究論文2編を執筆・公表し、そのうちの日本企業の為替リスク管理に関する研究成果をまとめて英語書籍1編(共著)を刊行した。研究成果の第一は、金融システム全体と日本企業に関するものである。この成果として、日本企業の企業再建に関する包括的実証研究と、日本の金融規制に関する研究、そして人口っ減少と少子高齢化が日本の都道府県別の金融資産に与える将来予測に関する研究の3つの論文挙げられる。第二は、日本企業の為替リスク管理とインボイス通貨選択に関するものであり、グローバルに展開する日本の製造業の上場企業とその海外現地法人が行っているインボイス通貨選択と為替リスク管理について大規模アンケート調査を用いた実証研究を行った。第三は、日本の事業会社の生産販売構造と海外企業買収に関する研究である。主に日本の上場企業の有価証券報告書に記載されているセグメント情報を用いて、企業別の生産販売構造の計測を行い、さらにそうした生産販売構造が短期的に大きく変化するイベントとして大型企業買収を捉えた複数の実証研究を行った。以上の研究成果は、企業再建、企業買収(M&A)、銀行企業間関係、リスク管理などの企業金融に関する基本的な論点について、主にデータを用いた実証研究によって、日本企業の置かれた現状を明らかにしようとするものである。この点で、単なる学術的成果だけでなく、日本企業と日本の金融システムについての政策的含意を有する重要性を持つ研究成果であると言える。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)
経済分析
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