研究課題
2015年度は、本研究課題に関連する複数の研究論文を執筆することが出来た。そのうち、2本は査読付国際専門誌に受理、掲載がなされた。掲載された最初の論文では、外国為替市場の情報効率性を為替介入政策との関係で分析を行った。その主な結果としては、為替介入はその介入報方向と逆のオーダー・フロー(介入が円売りであれば円買い)の情報を打ち消すことが高頻度データーを用いた分析で明らかとなった。2番目の論文では情報トレーダーの取引を特定する指標の提案をおこなった。その指標とは、オーダーフローの為替レートに対するインパクトならびに、そのインパクトの持続性に注目したものである。一般的な経済理論によれば、情報トレーダーによるオーダー・フローであれば、為替レートに有意な影響を及ぼし、その影響は持続的である。そこで、インパクトが大きく、更には為替変化の反転を次期に生じさせないオーダー・フローをレジーム・変化モデルで特定した。その結果、そのオーダー・フローは為替レートに関連する情報として有意な説明力を持つことが判明した。本論文で提案した指標と為替市場の効率性の関連に対する分析を、今後行う予定である。また、外国為替市場の情報効率性を計測する指標に関する論文は、現在執筆を終えて、国際専門誌に投稿中である。
2: おおむね順調に進展している
2015年度内には、本研究課題に関連する複数の論文を執筆することができた。その一部は、査読付国際専門誌に掲載された。
引き続き、本研究課題に関連する論文を執筆していく。現在投稿中にある論文に関しても、雑誌編集者からの改訂要請に対して、適切に対応する。
高頻度データー購入時期を考慮したため。
高頻度データーの購入
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Journal of International Financial Markets, Institutions and Money
巻: 42 ページ: 77-90
10.1016/j.intfin.2016.02.001
Research in International Business and Finance
巻: 36 ページ: 436-446
10.1016/j.ribaf.2015.10.007
http://researchers.waseda.jp/profile/en.abf0957d3e6dc57ef00c7e9f031c618e.html