本研究は、コーポレートガバナンスのメカニズム、とりわけ株式所有構造が企業行動や企業のパフォーマンスにどう影響するのか、という点を分析の焦点の一つとした。日本企業について分析を行ったところ、1990年代から2000年代にかけて、機関投資家の株式保有比率が大幅に上昇したこと、そして機関投資家の株式保有比率の変化が企業行動に一定の影響を与えている可能性があることが明らかとなった。他方、メインバンクの企業行動への影響についても分析を行った。その結果、企業側の借入比率の低下もあり、2000年代以降について、日本企業に対するメインバンクの強い影響は確認できなかった。
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