グローバル経済に伴う教育における国際標準化は、短期的には混乱や急速な変容を招きかねないが、本研究は手がかりを、欧州高等教育圏の構築と旧仏領植民地の脱植民地化という2重の課題を抱えるフランス型理工系教育に求め、グローバル時代の日本の大学を考える参照とした。すなわち、これまで充分に行われてこなかった両者を視野にいれた分析には、特に旧仏領各国の現地での文書保存・文献の状況を知ることが必須であり、その点でも意義は大きいが、総じて変容のあり様の分析を行うことで、グローバル時代の日本の大学を考えるうえで有効である。
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