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2019 年度 研究成果報告書

21世紀ドイツ社会国家の歴史的位相―戦後連邦共和国における歴史的経緯を踏まえて

研究課題

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研究課題/領域番号 15K03575
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 経済史
研究機関名古屋大学

研究代表者

福澤 直樹  名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10242801)

研究期間 (年度) 2015-10-21 – 2020-03-31
キーワード社会国家 / ドイツ経済史 / 現代経済史 / 秩序経済学 / 社会的市場経済 / オルドリベラリズム / フライブルク学派 / 新自由主義
研究成果の概要

ドイツは高福祉の国といわれるが、市場経済の機能条件を補完する社会国家体制がその基底にあり、一義的に福祉国家を目指したわけではない。戦後以来同国はオルドリベラリズム(フライブルク学派)に代表されるドイツ型新自由主義に基づき市場機能を補うことをその本旨としており、社会給付もその一環にとどまる。その財政問題が社会国家の危機を表彰するものでもない。むしろ社会国家の基準をもたらすべき社会的公正、社会国家的関与の正統性、自己責任と社会的共同性、文化的経済主体としての人間の考察、活力政策の今日的含意などをめぐる考究が、秩序経済学という枠組みで積極的に行われており、こちらが社会国家をめぐる問題の本質となる。

自由記述の分野

西洋経済史

研究成果の学術的意義や社会的意義

ドイツはその社会給付において、福祉国家や社会給付国家を追求しているのではなく、本来あるべき市場経済の機能条件(完全情報、生産資源のモビリティ、経済主体の自由、完全競争等々)の現実世界での欠如を補うという、その限りで社会給付を実施している。1990年代から2000年代にかけて福祉財政の逼迫やドイツの産業競争力の観点から給付を切り下げる動きがあったとよく理解されるが、社会国家とは市場機能を補完する制度体系であり、本質的に財政等の問題で潰えるものではない。本研究は、自由市場経済を旨としつつも様々な問題に対応する経済秩序設定が今なお積極的に模索されている事例の理解を学会や社会に促すという意義をもつ。

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公開日: 2021-02-19  

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