近代日本において特定の産地が競争力を持って成長していく中、それら大産地よりは大きく後塵を配するものの、それでも一定の生産額を誇り続けた産地について、その存続のメカニズムを考察したのが本プロジェクトである。プロジェクトを通じて、産地毎に存続のメカニズムもまた多様であったことが発見された。 具体的には、萩焼は茶道の千家との関係性を強めることによって「一楽二萩三唐津」のキャッチフレーズを得て成長したし、会津本郷焼は碍子の官需を受注することで成長したし、京焼は芸術的な価値の高さで優遇されることで存続していた。一方で、三川内の場合には、産地分析を間違えた評論家の意見を真に受けて伸び悩んだ点が確認された。
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