2017年度は本研究プロジェクトの最終年度であり,3カ年の研究成果を積極的に公表した。国際会議では,ロシア連邦サンクトペテルブルク市で開催されたSecond World Congress of Comparative Economicsにおいて,"How “Embedded Market Mechanism” Worked? : Prices and Commodities in the Kolkhoz markets of Soviet Planned Economy under the Stalin regime"というタイトルで成果を発表した(2017年6月16日)。また,慶應義塾大学三田経済学会・崔在東教授と共催で,ロシア人研究者4名を招聘し,国際ミニコンファレンス「20世紀ロシアの農村・農民の世界」を開催し,"Советский крестьянин и колхозный рынок в 1930-е годы"と題する報告をおこなった(2018年3月6日)。書籍の形態では,『ロシア革命とソ連の世紀』シリーズの『第2巻 スターリニズムという文明』(岩波書店, 2017年7月)にて,第2章「農業集団化:コルホーズ体制下の農民と市場」(pp. 65-90.)を執筆した。また,本研究のテーマであるソ連経済における計画と市場メカニズムとの関係に関連し,ロシア連邦モスクワ市で開催されたThe International Scientific Conference <REVOLUTION: HISTORICAL AND PHILOSOPHICAL COMPREHENSION>において, "On the N. Bukharin’s Theory of State Capitalism"と題する報告をおこなった(2017年11月3日)。同様のテーマで,日本国内でも,経済理論学会 第65回大会において,「ブハーリンによる国家資本主義論の検討」と題する研究発表をおこなった(2017年10月29日)。
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