研究課題/領域番号 |
15K03589
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
勘坂 純市 創価大学, 経済学部, 教授 (20267488)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 土地改良事業 / 小作料 |
研究実績の概要 |
20世紀前半日本での土地改良事業の地域内網羅的データベース作成による国際比較分析を進めるために、平成26年度は、主に以下の2つの作業を行った。 (1) 富山県内務部『耕地整理並開墾要覧』に示された耕地整理事業のデーターベースへの入力を進めた。 (2) 小作料の不平等、高額さが土地改良事業を妨げる大きな要因であり、かつと土地改良事業は、小作料にも大きな影響を与えた。小作料の決定過程に関して研究を進め、国内外で以下の2つの研究報告を行った。 1.「那須皓『公正なる小作料』の経済学的モデル分析」日本経済思想史学会 第27回 全国大会, 愛媛大学 6月5日(那須皓の小作料論の按分案およびその差分方程式過程をを経済モデルを用いて明らかにした) 2. The agricultural development and tenancy disputes under authoritarian regime in prewar Japan Workshop: Development under Dictatorship? Lund University, Sweden 10月10日 (土地改良事業が日本の農業発展や1920年代以降の小作争議にどのような影響を与えたかを、当時の「権威主義的体制」との関連のかなで分析した。ヨーロッパ、南米、アジアの研究者が集った会議での議論によって、わが国の土地改良事業を国際比較の中で位置づけることができた。とくにベトナムの農地制度を研究する研究者から積極的な質問、コメントをもらい同地域の土地改良事業との比較は興味深い問題であることが明らかとなった)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している。しかし、耕地整理事業と密接な関係にある小作料の決定過程の分析が、想定以上に困難であり、そこに時間を費やした分、耕地整理事業のデータベースの作成が予定よりやた遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、富山県・石川県における耕地整理事業の分析を進めていく。本年度、子閣僚決定過程や、農政全般における諸論争を分析できたことで、より広い社会的文脈で土地改良事業の意義を捉えていく視点を得られた。今後はこの視点を生かして研究を進めて生きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用金額117円が少額であったため、それを用いて使用可能な適切な支出先がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度未使用金額を加えた800,117円を用いて、当初の予算計画にしたがって適切に使用してまいりたい。
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