研究課題/領域番号 |
15K03595
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
岡部 芳彦 神戸学院大学, 経済学部, 准教授 (80551366)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イギリス検認遺産目録 / カンタベリー大権裁判所 / 史料収集 / 活字化 / イギリス経済史 / デジタル・アーカイブ / イギリスにおける成果公開 |
研究実績の概要 |
2015年度は、3月14日~21日の日程で、ロンドン郊外のイギリス国立公文書館(以下TNA)ならびにイングランド西部のブリストル市公文書館で史料調査を行った。TNAでは、未整理のカンタベリー大権裁判所検認記録から32例の検認遺産目録を発見し、史料の写真撮影を行った。 またブリストル市公文書館では、イギリス検認遺産目録研究の第一人者のひとりであるエクスター大学のジョナサン・バリー教授と面会し、研究の進捗状況の報告と議論を行い、今後の研究の方向性について助言を受けた。また、ブリストル市公文書館でも史料調査を行った。ここではマイクロフィルム化された検認遺産目録の現状を調査した。 その後、ブリストル市記録協会より、バリー教授の推薦により、記録協会が出版している研究書シリーズの一冊として出版してはどうかとの打診を受け検討中である。またそれと並行してTNAより許可を得て、これまで撮影した検認遺産目録のデータをデジタル・アーカイブ化して公開することも検討している。 また、収集した検認遺産目録の手稿原本を継続して活字化している。活字化した手稿を用いて、さまざまな職業の分析を現在試みている。とくに珍しい職業から分析を行っている。 2015年度の研究成果としては、カンタベリー大権裁判所検認記録を用いて、論説「18世紀コルセット職人の検認遺産目録」を執筆し、『神戸学院経済学論集』第47巻3/4号に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料調査自体は、科研申請時の「研究実施計画」に基づけば達成しているが、一方、夏季休暇を利用して史料調査を行おうと思っていたところ、学部の教務委員にあたっていたため、教務・学務が多忙で時間を確保できなかった。結果として年度末に調査は行えたが、夏休みに行えていればその分析を年度後期に行うことができた。その点は予期していた以上の成果を得られていない原因である。結局のところ、成果論文1本となった理由でもある。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はできるかぎり、早く時間を見つけて史料調査を行いたい。できるだけ多くの検認遺産目録の手稿原本を発見し、分析を行うことで昨年度以上の成果をあげられるよう全力で努力したい。 現地の協力研究者にも積極的に助言や史料調査を依頼し、研究を一歩でも前にすすめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は研究計画にも書いたとおり、夏季休暇にもう少し長期間の史料調査を考えていたが、教務委員で時間がとれず、年度末1週間となった。その分、旅費の使用金額が低くなった。
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次年度使用額の使用計画 |
できるかぎり、時間を見つけて長期間の史料調査を行いたい。
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