| 研究課題/領域番号 |
15K03601
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| 研究機関 | 静岡大学 |
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研究代表者 |
舘岡 康雄 静岡大学, 工学部, 教授 (00510463)
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| 研究分担者 |
泰中 啓一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 客員教授 (30142227)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 経営組織 / 持続可能性 / SHIEN（支援） / パラダイムシフト / シミュレーション / 幸福感 / 働き方 |
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| 研究実績の概要 |
組織間における関係行動（協業、協力、協働、支援など）に、格子気体モデルを使うことは極めて先進的である。初年度は、親メーカと下請けメーカの協業と協力に関して分析を行い、国際学会で発表した。また、囚人のジレンマとの関係もつけ、どのような条件のもとに、関係行動が競争行動より有利かを示し、海外ジャーナルに採用された。
切り離されたエージェントが結果を重視し、競争しながら成果を出すリザルトパラダイムから、エージェントが再び重なりを創って、その重なりで「してもらったり、してあげたり」しながら、互いの力を引き出して成果を生み出すプロセスパラダイムに推移していることを精緻化した。この研究は、２００５年より日本から支援研究として始まったが、１０年目を迎え、SHIEN（支援）学会１０周年フォーラムとして早稲田大学で新しい科学の可能性として大々的に発表した。
SHEIN学における問題解決原理のアウトリーチ活動として、一般社団法人SHIENアカデミーを設立し活動を開始した。SHIEN原理が東京、北海道、静岡（牧之原市）、三重（津市）に同時並行的に広がっている。さらに、実際の企業２社で、２病院でSHIEN学による組織開発を実験し、データ解析中である。効果のダイナミズムが明らかになってきた。
山城経営研究所とタイアップし、上場大企業において、SHIEN（支援）原理がどのように働きかた、人間関係、組織間関係、業績に影響を与えるかを研究中である。また、働く幸せと業績が両立する企業と関係行動についても分析を４社で行っている。
持続可能企業に関していえば、国内の企業にとどまらず、新たにアジア圏における分析を開始した。本研究が仮説としている、互いに助け合う文化、行動がサスティナビリティに有効であることが海外でも言えるのか、興味深いところである。今後上記すべてを踏まえ、総合的に研究を進めていく予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者、研究協力者とも現状の研究を続けている。分野が違い、価値観や成果の置きどころなど若干のミスマッチが起きることもあるが、ほぼ良好な関係で進められている。
関係行動を組織的に実験したり、解析することが可能な組織、一般社団法人SHIENアカデミーができたことにより、研究のサポートが得やすくなっている。また、牧之原市などが大々的に（市職員全員）にSHIEN原理を採用したことにより、日常の業務における利他的な行動によるWin-win関係の構築がどのように現実的に起こるのかを明らかにしやすくなった。今後ともタイアップしながらSHIEN原理を明らかにしていきたい。
また、山城経営研究所は経営学の立場から、協力してくれており、組織に利他的な関係行動がどのように作用するのか今後具体的に明らかになっていくだろう。
また、病院や企業において、働き方と業績と利他的な行動によるWin-win関係の構築に関する研究者の協力も得られてきているので、今後が楽しみである。
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| 今後の研究の推進方策 |
基本的に現段階では大きな変更は行わない。関係行動への格子気体モデルの適用、組織内における利他的な行動がもたらすWin-win関係と持続可能性、さらにそこに深く関わる企業文化、企業変容のダイナミズムにも迫っていきたい。また、利他的な行動を互いに引き出すために何が必要なのかを、SHIEN（支援）という切り口から精緻化していく。また、現在のように物が溢れた時代には、従来のGDPという指標は役目を終えた感がある。これに変わりうる、地球の回復能力と人々の豊かさを両立できる指標の確立に努めたい。また、地域やNPOとの連携を含め、本研究の成果が具体的な現場でも役立っていくように推進したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、SHIEN学を深めるワークショップやデータ解析が中心であった、専門家への聞き込みや議論が少なかった。その差額が生じている。平成28年度はそれらへ金額を使っていきたい。
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| 次年度使用額の使用計画 |
上記に示したように、専門家への謝金にしていきたい。
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