研究課題/領域番号 |
15K03602
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
岡本 哲弥 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10411042)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自動車 / サプライヤー / 協力会 / 所属ネットワーク / オーバーラップ |
研究実績の概要 |
初年度は、まず、岡本(2011、2014)で展開した1次サプライヤーと自動車メーカーの多対多の取引構造に対するネットワーク分析を時系列に発展させ、1次サプライヤーと自動車メーカーの取引のネットワーク関係から、時系列に各自動車メーカーの購買ポジションの推移を分析することを目的としてきた。 そのために、(株)アイアールシーによって1993年以降発行されてきた「日本自動車部品産業の実態」などを入手したうえで、1993年、2004年、2013年の3時点の自動車部品サプライヤーの協力会加盟状況のデータからメーカー間誘導ネットワークを抽出し、サプライヤーの重複度(行列)の分析を進めた。その結果、ここ20年間の自動車メーカーと部品サプライヤーの取引構造において、次の3点の結果を得ることができた。 第1に、自動車メーカー別の協力会加盟サプライヤー数は減少していないなかで、いずれかの国内メーカー協力会へ加盟するサプライヤー総数は大幅に減少してきた。第2に、第1の点の結果として部品サプライヤーが同時に複数の協力会に加盟するオーバーラップが大幅に増加しており、取引サプライヤーの同質化が示唆される。最後に、メーカー間サプライヤー重複度行列に対する多次元尺度法、クラスター分析によって、商用車、軽自動車といった取り扱われる車種ごとにメーカー間の位置関係は近づく傾向にあった。 なお、本研究結果は、『商品開発・管理研究』に投稿し、査読付論文として掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年計画の本研究課題について、初年度の研究計画に沿ってほぼ順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
4年計画の本研究課題について、2年目の研究計画に沿って進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析で用いる予定の「世界自動車統計年刊」(フォーイン社発行)や「自動車部品200品目の生産流通調査」(アイアールシー発行)の調査資料について、最新のデータを入手したいため、2016年度に購入を遅らせたことが主要な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については、上記の調査資料の購入および入手資料に基づくデータセットの作成に使用する予定である。
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