研究課題/領域番号 |
15K03602
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
岡本 哲弥 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10411042)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自動車 / サプライヤー / ネットワーク分析 / 二部グラフ / アソシエーション分析 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、2件の研究発表を行った。 第1件目として、商品開発・管理学会第28回全国大会で2017年6月に「国内自動車産業におけるOEMのネットワーク分析」という論題で研究発表を行った。本研究では国内自動車メーカー間のOEMを対象にネットワーク分析を適用することで、自動車産業におけるOEMに潜むメカニズムについて考察を行っている。その結果、業界の市場地位に関して、リーダーであるトヨタ(グループ)に対抗すべく、ホンダを除くチャレンジャー以下の企業は相互に競争しつつも、品揃えを補完すべく協働的OEMを相互に展開していることが明らかになった。 第2件目として、日本経営学会第91回大会で2017年9月に「自動車産業における部品サプライヤーの取引品目間のオーバーラップ」という論題で研究報告を行った。本研究では、サプライヤーが複数の部品市場に跨り部品を納入する状況を実証的に把握し、どの程度のサプライヤーが複数の部品を納入しているのか、どのような品目間でオーバーラップが生じているのか、をアソシエーション分析にもとづき分析している。全体的には、部品間の連動性が要求される擦り合わせ型の品目群や類似性の高い品目でオーバーラップが発生する傾向が高いことが確認された。多くのオーバーラップは同一の部品カテゴリー内で発生しているが、外装品と内装品間などでは部品カテゴリーを越えてオーバーラップが見られた。これらの結果は、部品サプライヤーにとってどの品目間で範囲の経済が発生するのかを示唆している。 最後に、2016年3月に商品開発・管理学会の学会誌(『商品開発・管理研究』12巻 2号)に掲載された論文「自動車メーカー間の部品サプライヤーのオーバーラップ―3時点における所属ネットワークの変動―」が昨年6月に第5回優秀論文賞を受賞するとともに、それを受けて3月にも滋賀大学の学長表彰を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の3年目の研究計画に沿っておおむね順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の4年目の計画に沿って進める予定である。特に、本年度は最終年度にあたるため、論文の作成等成果物を意識して取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
マークラインズ(株)の自動車情報プラットフォームの契約が2018年2月(2017年度の後半)となったことが、次年度使用額が生じた主要な理由である。次年度には、当該契約を継続し、年度初めの4月から年度末まで年間契約をすることにしている。
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