本研究の目的は,近年の企業活動や個人行動では一般的になりつつある「プラットフォーム」の利用が,企業の競争行動や個人の消費・情報行動にどのように影響を与えるかを解明することである. 2018年度は,これまでの研究対象のプラットフォームの一つであるレストラン情報サービスに対する従来型メディアとの競争についての事例研究を行った.その結果,プラットフォームの活用によってビジネスプロセスの一部を外部化することで,事業参入に必要な経営資源の補完は出版業界でも行われていることが明らかになった. この研究を進めることで,スマートフォンを含むプラットフォーム活用による旧来のビジネスモデルの変化と事業者間連携によるサービスの同質化の傾向も明らかになった. また,災害時対応のための個人情報の収集と管理についての研究にも部分的に参加することを通じて,プラットフォーム活用によって収集した情報の保管地が被災するリスクを低減する取り組み事例についての知見を得ることができた.
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