本研究の目的は、共同出資や株式相互持合といった独立した企業間における資本提携が、親会社-関係会社(子会社・関連会社)間の企業グループの再編にどのような影響を及ぼしているのかについて、実証的に明らかにすることであった。日本企業を使った実証分析の結果、資本提携には他企業による「救済」の側面が強いことが明らかとなった。たとえば、第三者割当増資を通じた資本提携は、増資企業の株主価値を高める一方、引受企業の株主価値は高まらないことが明らかとなった。同様に流通株式の一部取得を通じた資本提携についても、健全な経営を行っている企業が、業績悪化した企業の株式の取得を通じて「救済」していることが明らかとなった。
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