研究課題/領域番号 |
15K03607
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
宮本 道子 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (30469598)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 戦略的整合性モデル / 事業戦略 / 事業とITの整合 / ITCプロジェクトマネジメント / IT戦略 |
研究実績の概要 |
①平成29年度は「構造に基づく戦略的整合モデル(SSAM)」について、平成28年度に行った介護施設におけるIT活用の実態調査について秋田県全域で行った調査に基づいて分析を行った。回答した71施設、954人の介護職員による、IT利用、コミュニケーション、管理業務、サポートシステム、ITの使いやすさ、満足度について分析したところ、管理業務がITと深く関連していることがわかったが、それ以外、特にコミュニケーションとサポートシステムに関しては、まだITが十分活用されていないことがわかった。またIT利用とITの使いやすさの関係も薄かった。さらにIT利用が介護職員の満足度と関連していないこともわかった。 ②平成28年度から始めた韓国の中小企業を対象とした研究では、人事と情報技術(IT)が交差する分野である人事管理システム、人事管理、人事部門の活動(採用、人事配置、プロモーション、評価等)との関連について482社の調査データを用いて分析を行った。その結果、人事管理システムと人事活動には強い関連性があることが判った。またITは人事管理に影響を与え、人事活動を支えていることが判った。 ③日本の中小企業354社の戦略アライメント成熟度、短期リンケージ、企業パフォーマンスの関連についてSledgianowski and Luftman (2001)による概念フレームワークを検証した。その結果、IT-ビジネス整合性の成熟度は企業パフォーマンスに非常に深く関連していたが、短期リンケージとはマイナスの関係となった。企業目標(ビジネスプラン)とインフォメーション・システム計画のリンケージは正の関係だったが、インフォメーション・システムとIT-ビジネス整合性の成熟度のそれぞれの要因とのリンケージは、先行研究同様、弱いという結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本全体におけるSSAMモデルの調査に時間が掛かっているが、韓国企業についてのさらなる分析が行えたのと、介護施設におけるIT活用について調査、分析できた。
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今後の研究の推進方策 |
日本全体におけるSSAMモデルの調査に時間が掛かっているので、そちらを継続しながら、介護施設におけるIT活用について、施設の種類別(特別介護老人ホーム、グループホーム等)の違いについても深く検証したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)アンケート調査が遅れているため。
(使用計画)これらの金額と次年度に請求する研究費を合わせた使用計画としては、アンケート調査の実施と、学会、国際会議への参加のための旅費に使用すること、などを計画している。
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