研究課題/領域番号 |
15K03609
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
北島 啓嗣 福井県立大学, 経済学部, 教授 (60398980)
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研究分担者 |
早川 貴 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (10367683)
川本 真哉 南山大学, 経済学部, 准教授 (60468874)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 両面市場 / プラットフォーム / 企業グループ / 統治 / モニタリング |
研究実績の概要 |
本研究期間を通じて明らかになったのは従来の「業態」概念の刷新である。大型店は百貨店とSCは別の業態として分類され、別のマネジメントコントロールシステムの基にあると考えられてきた。しかし、現在、そのマネジメントは互いに接近している。そして、理論的には両面市場性に立脚したプラットフィームとして捉えることが有効である。 本研究は、プラットフォーム概念の大型店研究への寄与とその精緻化を試みた。現代の大型店は、多くの企業のネットワークの中で行為する。百貨店、SC、そしてEコマース等も多くの企業と取引を行う複雑なネットワークの中でその優位性を構築しようとする。 プラットフォームの存在感を増す今、企業の理論、すなわち組織論や戦略論、経営学の全体も再構築を迫られている。競争優位の構築のためには、自社の属する企業ネットワークを統治し、コントロールしなくてはいけない。そのネットワークはきちんと機能しているのか、どうやってモニタリングするのかという課題が浮上する。例えば、「プラットフォーム・グループ」の優位性をいかに測定するのかという問題にさえ我々は解を提示できてはいない。 最もその優位性を示すと思われるのはレピュテーションとその現れであるブランド価値であるが、これも日常的に測定し、またそのその測定を基にして経営することはできていない。 二つの事例は、逆にその優位性がいかに失われるかを通じて、そのメカニズムにレピュテーションとブランドの重要性を指摘した。そして、そのブランドは法的な所有者によって価値が決めることが出来るものではなく、他の企業との関連において価値が定められる。
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