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2015 年度 実施状況報告書

東日本大震災後の被災地における災害ボランティア活動の組織論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03611
研究機関石巻専修大学

研究代表者

丸岡 泰  石巻専修大学, 経営学部, 教授 (30306071)

研究分担者 竹中 徹  石巻専修大学, 経営学部, 准教授 (00441105)
佐々木 万亀夫  石巻専修大学, 経営学部, 教授 (30225891)
田尾 雅夫  愛知学院大学, 経営学部, 教授 (40094403)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードボランティア仲介組織 / 教育におけるボランティア / 人的資源管理
研究実績の概要

平成27年度の研究は、(1)データベース作成、(2)ボランティア団体のインタビュー、(3)研究者間の打ち合わせ、を骨子としていた。
(1)データベース作成:石巻専修大学丸岡泰研究室において、3名前後の大学生と一般市民がアルバイトでネット検索と文献から、東日本大震災後に活動したボランティア団体のリストを作成した。ボランティア団体を団体の性格別に「NPO等」「大学」「宗教団体」「企業」などに分類し、担当を決めてネットの検索を繰り返し、代表者名、団体住所、連絡先などからなるリストを作成している。大学(短大を含む)約1100のような組織は比較的正確なリストができたが、NPO等、とくに任意団体については団体そのものの存続が疑わしいものが少なくない。企業の活動はその数が多いため、活動の特徴的な情報産業、旅行業界を選び、リストの作成を行っている。平成28年度にはこれらの組織を対象にアンケート調査を行う予定。
(2)ボランティア団体のインタビュー:東京都、福島県、宮城県、岩手県のボランティア団体の調査を中心に行った。東京都では荒川区、中野区、杉並区の社会福祉協議会のボランティアセンターへの聞き取り調査を行った。平成28年3月の岩手県の遠野市の遠野まごころネット、大槌町役場等へは、調査チームの丸岡、田尾、佐々木が参加した。
(3)研究者間の打ち合わせ:必要に応じて研究者間の打ち合わせをネット等で行っているが、平成28年3月の遠野出張時に比較的時間を共有し、意見交換をすることができた。また、この直前の2月29日の仙台での会議で丸岡、田尾、竹中が打ち合わせに参加した。研究の方向性としてボランティアの人的資源管理の可能性が浮上している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データベース作成作業は進んでいる。
アンケートの対象の限定と調査票の作成が予定より若干遅れている。本研究の調査においては、ボランティア仲介組織と名付けたボランティア活動を仲介し促進する組織の調査が重要である。当初、消防団を対象とするアンケートを検討したが、消防団は非常勤の公務員だという考え方があり、ボランティアと認定することに疑義が生じたため、中止している。任意団体とNPOは対象となりうるが、任意団体には住所が不明の団体も少なくない。宗教団体もボランティア活動を活発に行っているが、アンケート調査に回答を得ることは難しいと考えている。アンケート調査が多数行われていることも回答率を下げる要因となりうる。現在検討中なのは、大学と企業を対象とするアンケートである。また、全国社会福祉協議会は災害ボランティアセンター開設者として別途調査をする予定である。

今後の研究の推進方策

(1)大学を対象とするアンケート:大学は継続的な組織であり、構成員が若い。次の大きな災害においてもボランティアを供給できる源泉となる可能性が高い。大学を対象とするアンケートを行う場合、大学教育においてボランティアをどのように位置づけるかを質問することが重要である。
(2)企業を対象とするアンケート:東日本大震災は企業のCSRが活発に行われたという意味でCSR元年と呼ばれることもある。同時に企業ボランティアも活発に行われた。企業にとっては社員をボランティアに提供することは本業の中断を意味しており、大きなロスを出すことになる。それでも社員をボランティアに送る企業は、企業の社会的責任を重視していたり、ボランティア制度を有していたりする。企業の人的資源管理の視点から、ボランティア制度の位置づけとその実態を検討する方針である。旅行業界とIT業界についてこのような調査を実施することを検討中である。

次年度使用額が生じた理由

大学が所在する石巻市と石巻専修大学内でアルバイト募集を行ったが、継続的に作業にかかわれる人材が4名しか集まらず、その4名も平均すると週2回以下半日以下の作業時間しか確保できなかったため、人件費の支出が進まなかった。そのため、予定していたデータベース作成作業の進捗はまだ半分程度である。

次年度使用額の使用計画

現在作業に携わっている3名は継続的に週2回から3回程度の作業が可能なため、平成28年度前半には予定していたデータベース作成作業は完了できる見込みである。このデータベースをもとにアンケートを取る段取りを進めるが、作業は約半年遅れで実施することとなる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 東日本大震災被災地への教育旅行におけるボランティア活動の持続可能性のための考察 : 宮城県石巻市への2回の来訪事例から2015

    • 著者名/発表者名
      丸岡泰
    • 雑誌名

      日本観光研究学会全国大会学術論文集

      巻: 30 ページ: 17-20

  • [学会発表] 東日本大震災の被災地への復興ツーリズムの可能性―南三陸町の事例から―2016

    • 著者名/発表者名
      丸岡泰・泰松範行
    • 学会等名
      関東政治社会学会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      2016-03-19
  • [学会発表] 東日本大震災被災地への教育旅行におけるボランティア活動の持続可能性のための考察 : 宮城県石巻市への2回の来訪事例から2015

    • 著者名/発表者名
      丸岡泰
    • 学会等名
      日本観光研究学会
    • 発表場所
      高崎経済大学
    • 年月日
      2015-11-29

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公開日: 2017-01-06  

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