研究課題/領域番号 |
15K03621
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
日野 健太 駒澤大学, 経営学部, 教授 (70339670)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リーダーシップ / フォロワー / 組織論 / シンボリック・パースペクティブ |
研究実績の概要 |
モチベーションに対するリーダーシップの影響について,古典的研究と関連づけて探究するべくハーズバーグの二要因説を援用し,臨界事象法を用いてデータを収集し「動機づけ・衛生要因再訪:方法論上の転回による実証的再検討」『駒大経営研究』第48巻3/4号(2017年3月発行)に発表した。発見事実からはフォロワーから期待されることがリーダー自身の動機づけになっていることが示唆される。 また,2016年5月にメキシコ・メリダで行われたIFSAM(International Federation of Scholarly Associations of Management)第13回大会において,リーダーシップ幻想についてRomance of leadership as a symbol of organizationと題する研究報告を行った。リーダーシップを結果の原因と考えるリーダーシップ幻想は,従来認知資源の節約ゆえに生じると考えられてきたが,この現象の原因についてはリーダーを組織のシンボルとしてとらえるためだという視点を持つべきであろう。 加えて,2017年2月にかねてより懸案のMary HatchによるOrganization Theoryの翻訳を『Hatch 組織論:3つのパースペクティブ』(同文舘出版)として刊行した。同書のシンボリック・パースペクティブは,リーダーシップに対する期待や失望を説明する有効な枠組みたり得る。 2016年7月にドイツより来日の研究者を迎え研究会を駒澤大学で開催し,8月には,アメリカ・クレアモント大学院で行われたに参加し,認知科学アプローチによるリーダーシップ研究について情報収集,意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たな研究動向および学術誌の採択傾向を踏まえ,従属変数を二時点で収集するようなリサーチデザインを検討するのに時間がかかっている(充分な時間が確保できない)ため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し,今年度に調査を実施,次年度に結果を取りまとめることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度,28年度において既述の翻訳について,共訳者の問題により想定外の作業分担が発生し,当初計画していた調査と分析が行えなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度中に規模を拡大し調査を行い,研究期間を延長し成果のとりまとめを行う。
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