これまでの金融危機や原発事故の事例研究の知見をもとに、ミクロの組織や経営の問題からマクロの危機を分析する理論的枠組みを提起した。従来の危機の研究は規制やルールといったマクロの要因の分析が中心であったが、規制やルールを強化しても危機は繰り返し起きる事から、これまでの研究で十分に取り上げられなかった、危機の背後にあるミクロ基礎の問題についての分析を行った。 本研究の成果は、先行研究をベースに、危機におけるミクロの個人や組織の意思決定や行動とマクロの組織やシステム全体の問題とを結びつけるミクロ基礎の理論的枠組みを提起したことにあり、今後の危機分析の展開に経営学の分野から新たな視点を提供している。
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