研究課題/領域番号 |
15K03633
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松村 勝弘 立命館大学, 情報理工学部, 非常勤講師 (40066733)
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研究分担者 |
篠田 朝也 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (50378428)
田中 伸 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 准教授 (60413556)
飛田 努 福岡大学, 商学部, 准教授 (60435154)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / ファミリービジネス / 企業公器論 / 長期的視野の経営 / 日本的経営 / 経営理念 / 社是社訓 / 事業承継 |
研究実績の概要 |
我々の研究は、一貫してコーポレート・ガバナンス体制とパフォーマンスの相互関係を明らかにしようとするものであった。もちろんこれを媒介環なしに論ずることはできないと考えてきた。第1期(H21-23)のアンケート調査によりガバナンス体制をハイブリッド型、日本的経営型、独立独歩型の3類型に分けられることが明らかになった。第2期(H24-26)には媒介環としてのモチベーションや経営管理システムなどをとりこんで分析した。これらの分析を通じて、先行研究が「コーポレート・ガバナンス体制」→「企業行動・企業業績」という因果関係を想定しているのに対して、むしろ「企業行動・企業文化」→「コーポレート・ガバナンス」という因果関係が成立していることが実証できた。第3期(H27-28)たる今回はファミリービジネスに対象を限定することによって、ガバナンス体制をいったん固定して 、どの要因がパフォーマンスに影響を与えやすいのかを明らかにしようとした。企業業績の向上は言うまでもなく優れた経営管理システムによる合理的経営が行われることがまずは前提されるが、ファミリービジネスへのアンケートなどにより、企業の長期継続性が安定的な業績に結びつくと考えるに至った。この点は日本型コーポレート・ガバナンスが安定的な経営をもたらし、日本企業の好業績をもたらしていたことも傍証となろう。ヒヤリングなどでも明らかになったことであるが、ファミリービジネスにおいて事業承継が大きな課題になるのもそのためであろう。日本においては世界に類をみないほど多くの100年企業が存在することは、[日本文化の基礎の上にある]日本企業の文化とコーポレート・ガバナンスとのある種の関係を暗示しているものと考えられる。これのさらなる実証的分析は第4期に行おうと考えたが、平成30年度科研では却下されたので、さらに研究を深めて平成31年度に申請する予定である。
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