研究課題/領域番号 |
15K03634
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
角埜 恭央 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (20376817)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 情報サービス / サービス科学 / 事例分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、第1にベンダー企業との価値共創によるITユーザー企業の情報利活用による経営高度化メカニズム解明である。このため需要側と供給側の双方が理解しうるサービス共通言語、日進月歩の技術革新を前提としたサービス高度化の発展段階を明確にし、持続的競争優位に貢献するワールドクラスの情報サービス事例について考察する。第2に、価値共創に基づく情報利活用による経営高度化の事例研究と海外先進事例の考察を通した、情報サービス価値共創を促進する情報循環プラットフォームの構想である。 平成28年度は、サービス科学の文献サーベイを進めるとともに、以下の活動を行った。先ず、経営情報学の国際会議International Conference on Information Systems (ICIS)のサービス科学関連ワークショップ ICIS 2016 Workshop: Service Science and Information Systemsにおいて、本研究課題の構想を発表し議論するとともに、世界各国の多様なサービス科学研究の最先端に関する情報収集を行い、知見を得た。次に、国内の大手ITベンダーや業界団体へのインタビューと事例分析を通して、金融業でのベンダーとユーザーの接点設計のあり方、クラウドコンピューティング環境におけるベンダーとマルチ・ユーザー間のインフラストラクチャーの共同利活用の仕組みなどについて考察した。さらに、本研究の構想対象をモバイル環境に広げて、モバイル・サービス特性とユーザーの技術受容の関係性について社会調査を実施し、統計的方法を用いて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の検討対象をクラウドコンピューティングやモバイル環境に広げて研究構想の精緻化を進め、国内外の学会・ワークショップや企業、業界団体での事例分析を行うとともに、研究の途中経過について国内外の学会で報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の構想対象をクラウドコンピューティングやモバイル環境に広げ、国内外の学会や企業、業界団体での事例分析を継続することにより、ユーザーとベンダーの価値共創に基づく情報利活用による経営高度化のメカニズム解明を進めて行く。また情報サービス価値共創を促進する情報循環プラットフォームの構想についても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は概ね計画通りの予算執行であったが、前年度繰越額を埋め合せて執行することはできなかった。なお、平成27年度は、Management of Software Engineering Innovation in Japan(Springer)の出版に注力したこと等により、計画していた海外出張の実施を見合わせる等の判断をして繰越額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
計画している国内外の学会・ワークショップや企業、業界団体でのインタビュー・事例分析を行うとともに、国内外の学会報告等により予算の執行を行う。
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