研究実績の概要 |
本研究は、専門家研究の知見を援用し、デザイナーが持つデザイン態度(デザイナーやデザイン集団に共有される志向性と文化)とプロフェッションがどのように形成されているかを明らかにすることを目的としている。平成29年度の研究実績は以下の3点である。 1. 国内データと国外データを比較したデザイン態度形成要因の理論化:27年度に実施した国内で活躍するデザイナーから収集したデータと、28年度に実施した国外で活躍するデザイナー(イタリアを主とした)から収集したデータを比較分析し、日本のデザインプロフェッションに共有されるデザイン態度の要素と、その形成要因に関する理論化を行った。 2. 関連文献の知見を整理した論文の発表:本研究で理論化されたデザイン態度が関連する研究を整理するために、論文「デザインマネジメント研究の射程と展望─DMA2017の文献レビュー─」(立命館経営学第56巻4号,2017年,査読なし)の執筆と投稿を行った。加えて、イタリアでの調査によって明らかにされたデザイン態度の源泉を明らかにするために、イタリアのデザイン態度を世界のビジネスに敷衍する内容を示した書籍『突破するデザイン』(原著:Verganti, R. (2017) Overcrowded, Harvard Business Press)を翻訳し、出版した(日経BP社,2017年)。さらに、論文「デザイン・ドリブン・イノベーションの理論的根拠─イタリア照明企業6社の事例─」(立命館経営学第56巻6号, 2018年,査読なし)を執筆・投稿した。 3. 研究成果の発表:研究成果として、国際学会(Design Management Academy 2017 Hong Kong)にて報告を行い、国内ではシンポジウム(「イノベーションをデザインする-デザイン・ドリブン・イノベーションの意義と展開-」)の第二部ポスターセッションにて報告を行った。
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