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2017 年度 実施状況報告書

被災地の復興における移動起業家の役割とエコシステム

研究課題

研究課題/領域番号 15K03643
研究機関東北大学

研究代表者

福嶋 路  東北大学, 経済学研究科, 教授 (70292191)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード東日本大震災 / 移動起業家 / 利他的 / Compassion Organizing / コミュニティ / よそ者 / 越境的学習
研究実績の概要

仙台市とトーマツと行った震災直後の起業に関するアンケートを用いて、本研究課題にあうようにデータを再分析したものを、オーストラリアのメルボルンで開催されたISPIM(the international Society for Professional Innovation Management) Innovation Summit: Melbourne, Australia (2017)で発表した。そこで震災後の起業家が、震災前の起業家に比べ利他的な動機で起業をする傾向にあったことを発表した。それに対し、地域コミュニティと起業家とのネットワークにも目配りするべきだとか、利他的な動機での起業が持続的なものがどれくらい持続しうるのかという質問やコメントをいただいた。移動起業家を取り囲む環境についてより深いインタビューが必要であることが明らかになった。
また震災と起業に関するレビュー論文の執筆をした。この分野で興味深い研究があることがわかった。移動起業家に関してはゲオルグ・ジンメルを嚆矢とする「よそ者」論、さらに越境的学習論などをレビューした。震災後の起業に関する研究として、2006年にDuttonらによって提唱された「Compassion Organizing」という概念を、災害後の起業活動の分析に取り入れたDean ShepherdとTrenton Williamsら(2014)がある。彼らは、震災後の起業は住民の苦痛を和らげる効果があるという知見を示すとともに、震災後に現れた起業家の資源創出活動にも触れた研究である。これら研究をいかに融合するかを検討しつつ、現在レビューを書き直しをしている。
さらに平成28年度に仙台市産業振興事業団アシ☆スタと一緒に行った震災後の企業家に対するアンケートを行いワーキングペーパーにまとめ発表したが、来年度に再度アンケート調査を行ことが承認された。本年度はその追加調査を行うための下準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度は学務や学会関連のマネジメントの仕事に忙殺され、出張できる時間がなかなかとれず、移動起業家へのインタビューが思うように進まなかった。またレビュー論文の原稿執筆には取り掛かったが、インパクトある論文を見つけた時期が遅かったため、未だ書きあがっていない。さらに仙台市の震災後の起業家へのアンケートの可能性が高くなり、それによって経年変化をみることが可能になったため、もう1年延長することが望ましいと判断した。

今後の研究の推進方策

本研究課題についてもう1年延長し、移動起業家へのインタビューを追加で行う。また来年行われる仙台市の震災後起業家に対する二度目のアンケート調査のための準備を行い、アンケート調査終了後、そこから得られたデータの分析を行いつつ、2時点の変化を意識した分析を行い、報告書を作成する。さらに昨年度完成できなかった理論レビューを今年度は完成させ論文として発表していく。

次年度使用額が生じた理由

申請時ではアンケート調査を紙媒体で行う予定であったが、インターネット上でアンケートを行う方式(Questantというインターネット上でのアンケートサービス)に変更したため、その分のコストが大幅に抑えることができたから。また移動起業家へのインタビュー調査を次年度に延長したから。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Entrepreneurships after a disaster2017

    • 著者名/発表者名
      Michi Fukushima
    • 雑誌名

      ISPIM Innovation Summit proceedomgs

      巻: - ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [学会発表] Entrepreneurships after a disaster2017

    • 著者名/発表者名
      Michi Fukushima
    • 学会等名
      ISPIM Innovation Summit: Melbourne, Australia (2017)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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