本研究の目的は、日本とタイの労働者の公平感の相違を明らかにすることによって、アメリカを中心に展開されてきた組織的公正理論の実践への応用性を高めることである。本研究では、組織行動論、労働経済学等の近接他分野、他領域における知見を踏まえた理論的考察を行ったうえで、在タイ日系企業、タイ現地企業へのインタビューを中心とした定性的調査および大量サンプルによる定量的調査を実施し、これらの調査において収集されたデータを分析した。インタビューの結果から、日本とタイの労働者の視野等の相違から、組織的公正感のメカニズムが異なることが明らかとなったが、定量分析によってもこれが示された。
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