研究課題
◆本研究の目的はグローバル体制下における地域間ネットワーク形成の在り方、およびそれにともなう産業変容の解明にある。令和1年(4回目)研究計画は、1)徳島県の現地企業を訪問しての、聞き取り調査およびアンケート調査の実施であった。◆人口が何らかの形で還流する仕組みが考察され、異業種が融合したクラスターとして形成される過程が現地調査を通じて考察された。またその過程は政策や地域社会によってけん引され、クラスターとは政策や社会の産物として形成される不可視な結果(事象)ではないかという理解が得られた。有機的な連携は有機的なネットワーク、コミュニティ、プラットフォームを介して実現され、その迅速性は、情報量やレントと言った要因によって強い影響を受けることも理解することができた。◆地方戦略はメゾなレベルからの戦略であり、国家の体系となる大戦略とはミクロとメゾ、そしてミクロな視点より人々の意思決定や取引行動を繋ぐグローバルでローカル(グローカル)なネットワーク戦略ではないかと理解した。それは競争と協働の在り方が変化し、地域に根差した競争と協働の範囲が、さらなるネットワーク拡大に呼応しながら共創的な価値創出へと繋がっていくものと考える(地域創生から地域間共創の時代)。◆ネットワークに影響及ぼす要因は絶えず変化するものだから、その時々の状況を前提としながら、グローバルなネットワークもグローカルなネットワークも絶えず、その前提を変えていく。そう考えると、イノベーションと言う事象は、不安定な基盤の前では絶えずリ・インベンションを通じた振り向きを繰り返しながら、石橋を叩いて渡るような前提づくりにもとづきながら、今後とも引き起こされていく現象ではないかとも理解した。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
『経営論集』(明治大学経営学研究所)
巻: 66-2 ページ: 173-187
『観光研究論題』(大阪観光大学観光学研究所年報)
巻: 17 ページ: 53-60