研究課題/領域番号 |
15K03676
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
加藤 寛之 法政大学, 社会学部, 准教授 (10410888)
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研究分担者 |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
向井 悠一朗 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (40738514)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 競争戦略 / 造船 / 製品ライフサイクル / 成熟期・衰退期 |
研究実績の概要 |
おおむね順調に研究が進展した。海事図書館でデータをアップデートし、中手造船企業の代表である常石造船に複数回ヒアリングした。 造船産業は現在、極めて困難な状況に置かれている。1990年代から20年以上続いた造船ブームが終了してしまったためである。背景は、中国を代表とするグローバルな需要の減退である。具体的には、海上輸送量が減少し、結果、輸送用の船舶利用の需要が減少した結果、船価が低迷し、受注を採ることが極めて困難な状況になりつつある。そのような状況の中で、日本の造船各社がそれぞれどのような戦略を採っていくかをあきらかにしていきたいと考えている。 加藤は波方(なみかた)と呼ばれる瀬戸内海近隣に居住する船主(船舶の購入者)達の実態調査を始めつつある。海事図書館等に資料はないものの、まずは造船所からのヒアリングをもとに彼らの生態を明らかにしていこうとしている。また、常石造船に6回ヒアリングし、造船ブームが終了しブーム時に彼らの遂行していた原価企画船(シリーズ船)だけでは受注をとることが難しくなりつつある現状に対し、どのように対応しつつあるかを明らかにしようとしている。 具は舶用部品メーカーについての調査を行いつつある。 向井は今までの調査をもとに博士論文を提出した。また、研究の一部成果を日本経営学会誌に投稿している。 本研究の主眼は、日本の造船企業が雁行形態論の想定通りに衰退せず、成熟期、衰退期を経て再生長期に再び競争力を保持しているその背景の論理を探ることにあり、その点、2年目としておおむね順調に調査が進展しているということができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者ともに、研究の進展があった。加藤は国内造船所の状況に関するヒアリングにもとづく詳細な情報をインプットすることができた。具は舶用部品メーカーの調査を進めることができた。また向井は博士論文を提出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も精力的に国内造船所、国内舶用メーカーのヒアリングを続けていく。併せて、海外調査も実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に向井が日本生産性本部研究助成を受託し、当該年度に使い切る必要があったので、科研費については次年度に繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度使用しきれなかった旅費で消化する予定である。
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