研究実績の概要 |
平成27年度は、「新興国ビジネスにおける境界連結者の役割」という本研究テーマから、地域としてはASEANに絞って研究・調査を行った。研究・調査は、特に三つの研究の柱、(1)理論的な枠組みを形成するための文献研究、(2)国内外において行ったインタビュー調査、(3)暫定的な研究報告を中心とした。 (1)理論研究としては、月例の研究会を企画したが、特に丹沢が担当したWeber, Libby and Kyle Mayer (2014), "Transaction Cost Economics and the Cognitive Perspective,"AMR,Vol.39,No. 3 (July),および"Moving Opportunism to the back seat: Bounded Rationality, AMR,Vol. 41, No.1 (January), の検討から、文化的な背景、認知枠組みの相違を架橋する境界連結者の機能について深く検討した。また、境界連結者の概念について先行研究の実績を持つ研究者との意見交換を行った。 (2)インタビュー調査は、ASEANにおける生産・販売拠点と日本本国にある本社との間の地域統括組織の機能をめぐって、国内、国内(WEB)、現地でのインタビューを行った。国内でのインタビューは、電通、NCネットワーク(2回)、台湾市コンピュータ協会(日本事務所)など5回、WEBを通じたインタビューとして、シンガポールのIHI,伊勢丹三越、野村総研、JETROなど3回、3回の現地調査によるインタビューとしてシンガポールにおけるJETRO,野村総研、凸版、IHI,東芝、味の素、そしてタイにおけるタイJETRO,タイ日産、タイ味の素、タイヤクルト、タイグリコ、バンコクコマツなど12回のインタビューを重ねた。 (3)暫定的な研究報告としては、2015年12月25(金)、国際戦略経営研究学会・理論・実践研究部会にて、報告テーマ:「ASEANにおける地域統括組織をめぐる新興国ビジネス戦略ーグループ内企業ガバナンスの視点からー」として報告した。
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